ブログ 漢方は即効性はない?副作用はない?の疑問 ペットクリニッククローバーの院長です。 漢方薬は即効性はなく、効果は緩やかに効く、西洋薬は即効性がありすぐに症状が治まる。 漢方薬は副作用がなく、西洋薬は副作用が出やすいと思っていませんか? 正解でもあり、間違ってもいます 実は、漢方は即効性にも優れています。最近では人の病院でも漢方薬を処方する事が増えたなと感じています。 特に更年期症状やメンタルの症状でもよく使われていますね。 西洋薬と漢方薬の違いは分かりますか? 西洋医学は血液検査や画像検査などの結果をもとに特定の部分に対して治療を行います。病名がつかないと治療が進まないことが多いです。人工的に化学合成された一つの有効成分で作られています。原因が特定できている病気、症状にはとてもよく効きます。 中医学(東洋医学)では病名は特定しなくても、その個体の全体の状態、体質などを総合的に診断して治療していきます。(哲学的な考えを行います。)その為病名がはっきりしていなくても治療を行えます。 漢方薬は植物、動物、鉱物などから抽出した、自然由来の物を多数組み合わせた薬です。一つの薬に複数の有効成分が入っています。例えば葛根湯は、桂枝、芍薬、大棗、生姜、甘草、葛根、麻黄と実は7種類の薬草が入っています。それぞれに役割があります。同じ風邪薬でも入っている生薬が違えば効能が変わってきますので、お医者様に相談をしましょうね。 一般的に漢方薬のイメージは、西洋医学よりも効果は緩やかで長く飲まないと効果が出ない、副作用も出ないから安心だというとこでしょうか? しかし漢方薬は体質や証(病状の特徴)をしっかり弁証できれば即効性はおそらく西洋薬よりもあるかもしれません。 咳喘息と診断を受けて、咳止めと麦門冬湯を飲んでいたけれどなかなか回復しない場合、弁証をやり直し麻黄附子細辛湯に変更したらぴたりと咳が止まったりします。(すべての人や動物にあてはなるわけではないので、誤解のないように・・・) 五苓散はめまいの改善に有効で、西洋医学では治療できない場合などにぴたりとはまることがあります。このようにぴたりとあてはなると西洋薬よりも改善をする場合があるのです。また漢方薬は体質改善や不定愁訴などの対応が得意です。 当院でのペット漢方は特に体質改善、体の基本土台をつくる目的で処方しています。 漢方薬は体の証に合わせて処方されます。証とは生まれつきの体質や体力(親から受け継いだもの)、現在の症状、気、血、水のバランスを四診(見る、聞く、触る、問診)え総合的に評価する事です。※気、血、水についてはまた詳しくお話ししますね~ その子その子の最適な薬を処方するには、証を見極める必要があります。そのためには飼い主様からの様々な情報が頼りになります。人の様にお話できればより体質に合った漢方を処方できるのですが、動物たちの診察で難しい所ですね・・・ なかなか治療をしているのに症状が改善しないなど、お困りのことがあれば少しでもお役に立てる等にお手伝いをしていきたいと考えております。 気になることがありましたらお尋ねください